「ism3Cコース 動画セミナー」に参加してきました。
http://ec-engine.net/seminars/574
こちらのセミナーは、Webコンサルティングでとても有名な「株式会社ゴンウェブコンサルティング」さんが運営する勉強会「ism(イズム)」さんが主催されています。
その「ゴンウェブコンサルティング」の代表、権さんがセミナーでお話されている動画をみんなで見た後、ワークショップを行うという内容になっていて、なんと無料です!
その第一回目が3月15日に開催されるということで、アウェイ感いっぱいだけど行ってきました。
ところで3Cとは何でしょうか?
3Cとは「お客さま(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の観点で分析する戦略フレームワークのこと。ismでは、さらに「ベネフィット(お客さまが求める価値)」と「差別的優位点」の観点も重視し、自社の強みは何なのか、お客さまに選ばれる理由は何なのかを分析するために用います。
3Cで見出した自社の武器を、マーケティングから制作まですべてのチャネルで表現することで成果につなげます。
引用:http://ec-engine.net/seminars/574
ざっくりいうと、「そこそこ市場の需要があり、お客様も欲しがってるけど、他社はやっていなくて、自社にはめっちゃ強みがある」みたいな、超ブルーオーシャンな事業は何なのかを見つけるフレームワークみたいなものでしょうか。
よいお話を聞かせていただいたので、自分の復習も兼ねて、内容をブログに書いてみました。
以下は、動画セミナーの内容を聞きながら自分の理解でまとめたものです。
経営が苦しいのは、経営資源がないから?
→ No
事業がうまくいかないのは「資金がないから」「スタッフが足りないから」
と考えてしまうと、いつまでたっても経営改善はできない。
そもそも、経営というのは限られた資源で行うものであり、多すぎる資源は企業にとって負債となり得る。
スタッフを抱え過ぎている大企業が人件費と固定費の負担に苦しんでいる例も多い。
正攻法で売上を伸ばすのは時間がかかる
限られた資源で経営を改善するには、人材育成と改革が必要になります。
自分たちの業務の進め方を工夫して変えることで顧客満足度を上げて、
それによって集客を増やし、売上を確保して、次の業務改善につなげるというサイクルを生み出すことです。
人材育成と変革
↓
業務効率改善
↓
集客
↓
売上を確保
これは正攻法なのですが、結果が出るまでには年単位で時間がかかります。
なので、多くの人は業務改善を省略して、いきなり集客からやってしまうことが多い。
集客(安売り、広告)
↓
売上を確保
すると、一時的に売上は上がるけれど、根本的には何も解決していないことになります。
忙しいけれど利益が出ていない企業は、このケースが多いです。
例えばお花を扱うECショップで、母の日は商品が売れるという理由でスタッフを大量に稼動してキャンペーンを行うことを考えてみましょう。
短期的に売上は上がるかもしれませんが、人件費やコストを考えると、利益になるのかどうかは微妙です。
でも、少しづつでも何年も売れる商品を生み出せば、長期的にはそちらのほうが大きな利益を生みだします。
短期的な利益に目がいってしまうと長期的な利益を生み出せない
企業が短期的な利益に走って、長期的な利益を考える視点がなくなってしまうのはどうしてでしょうか?
それは、1年ごとに決算があるがために、そのスパンでの事業の成績にとらわれてしまうことにひとつの原因があります。
事業は、1年という単位ではなく、もっと長い目で考えるべきです。
AmazonのCEO・ジェフベゾスも、同じことを言っています。
「2〜3年で上手くいく必要はありません、私たちのタイムラインは5年から7年です」
特にインターネットの時代には、短期ではなく、長期の投資をするのがいちばん効率がいいのです。
なぜならば、市場の変化が激しいため、短期的なビジネスモデルではすぐに陳腐化してしまうのです。
短期利益を捨てて5年後の売上を生み出すためには、捨てることが必要
長期利益と短期利益の多くは対立するため、目先の短期利益のことばかりを考えていると、長期的な取り組みはできません。
そこで、短期利益を捨てる覚悟が必要になります。
具体的には、下記のようなことです。
・広告を捨てる
・販促イベントを捨てる
・商品を絞り込む
仕事は次から次へとやってくるものですが、たくさんやってはだめです。
削って削って、優先順位が一番高いものだけをやる覚悟が要ります。
来る仕事を順番にこなしていると、
本当にやらないといけないこと、本当にやりたいことは一生できないままです。
ほとんどの仕事はやらなくてもいいはず。
優先度の低い仕事は断る勇気を持ち、いちばん重要な仕事を自分から掴み取りに行くという能動的な考え方がないといけません。
何年も調子がわるい、収益があがっていないのは勝負している市場が適切でない可能性もある
以前は良かったのに、ここ最近は何年も苦戦している。収益が上がらない。という場合は、その会社に問題があるのではなく、市場が縮小している可能性が高いです。
市場の寿命がきていると思ったほうが良い場合があります。
次の収益源を考えるなら、また次の成長市場を探して、その波にのるべきです。
本当の課題は経営者の覚悟不足!
要するに、事業がうまくいかない本当の課題は、経営者の覚悟不足によるところが大きいです。
資源がたりないことを理由にずっと悩むなら、なくても出来る方法を考えるか、資金調達をするしかありません。
長期的な利益を目指すなら、一時的に目先の利益が減るとしても、覚悟を決めて取り組むしかないのです。
理想の商品、サービスの開発を前提に。長期で取り組む覚悟が必要であり、そして、時間がかかるということが何よりの参入障壁ともなります。
経営ヒエラルキー
経営ヒエラルキーとは、事業の内容を階層化したもののことです。
理念 = 理想の未来
ビジョン
目標
戦略
戦術
手法
手段
計画
実行 = 日々の仕事
理想の未来と日々の仕事をつなぐものが戦略です。
そして、戦略とは制約です。
- 絞り込み
- フォーカス&ディープ
- 何をとり、何を捨てるか
- 制約が資源を生む
やることを絞って制約するからこそ、資源がうまれます。
そしてその資源を、本当に使いたいことにフォーカスして使えます。
インターネットは、ユーザーから徹底的に比較されるビジネスです。
競合と比較されることを考えて、自社の強みをじっくり考えることが大切。
ネットで比較されたときに、自分たちが選ばれる価値をもっていることが大事なのです。
未来の3Cを設計しよう
自社とお客さまのことは知っていても、競合のことを知らない人は多いですが、比較して選ばれることを意識するなら、競合を知るのはとても大切です。
競合他社は、必ずしも同業者とは限りません。おなじベネフィットを提供する企業であれば競合となり得るのです。
たとえば、年末にカニを買いたいと思っている人の目的が「ギフトとして贈りたい」にあったとすれば、競合は他のカニ通販会社ではなく、お歳暮として牛肉やビールを売っているお店かもしれません。
3Cは簡単にみつからない
とはいえ、ほとんどの企業で3Cは成立しません。
市場からも顧客からも必要とされていて、自社に強みがあって、他社がやっていない、簡単に真似できないことなんて、そうそうありません。
だから、新サービス、新商品で「3C」をつくるのです。
お客様のニーズと、自分の目指す方向。
これをすり合わせながら、自分だけの強みをつくっていくのです。
動画セミナーのまとめは、ここまでになります!
自分の3Cを考えるワークショップで難しさを知る
動画を見た後、特別ゲストとして権さんが登場!なぜか会場に拍手がw
話し方がすごく穏やかでわかりやすいのが印象的でした。
動画を見た後、今度は自分で自社の3Cを考えてみよう!というワークワークショップがありました。
わたしも考えてみましたが・・・これがなかなか、むずかしい。
自分のことって、自分ではわからないものですね。
そうなんです。フレームワークを知っているからといって、3Cはすぐには見つからない。
これだ!と思ったものがあっても、それで合っているのかどうかもわからない。
だから、わからない点は顧客にヒアリングしてみる。市場調査をしてみる。ABテストをしてみる。
そうやって考えて仮説をたてて、検証して、地道に固めていくしかない。
そして最終的には「これで経営していく!」という経営判断が必要になるのです。
実際に、自社の3Cができるまでに4年かかったという企業さんもいて、難しさを思い知りました。
感想など
わたしはフリーランス10年目。これまでは、飛んで来るボールをひたすら打って打って、夢中でバットを振っていたらここまできたという感じがします。
年齢を考えると、これから10年も同じようにはできないなーと思いつつ、でもどうやって働いていこうかなと考えていたので、長期的な利益を考えるというお話は、すごく心に刺さりました。
自分だけの3C、作り出していきたいなー。